'18夏ドラマ感想『サバイバル・ウェディング』第1話
婚活ドラマ、ファッション業界系はもう十分……と思っていた*1。
伊勢谷友介の髪型もキャラも変だし、イケメン枠じゃないのが残念……と思っていた。
ところがどっこい!
その伊勢谷友介がすごかった。
それは後述するとして、先に、その他にいいなと思ったところ&気になったところ。
職場の人間関係がGOOD
この手のドラマで珍しいのが、波瑠の新しい職場、ファッション雑誌の編集部が、まったくギスギスしていない。
職場環境が良好なのだ。
足の引っ張りあいも、新人いびりも、ファッションをディスられることもない。
何というストレスフリー。
何より重要なのが、婚活実録を書かねばならなくなった波瑠に同情的で、婚約破棄それ自体は、みんなあまり突っ込んだり、バカにしたり、笑い者にしたりしないこと。
できた人たち。
これ絶対、トップである編集長の人柄だよな。
ブランド小ネタも見ていて面白い。
「なんでマークジェイコブスに猿の人形くっつけてるんだ」とか、
"ライセンスの悲劇"みたいなネタも、初回だけじゃなくて今後も随所に入れてほしいな。
ところで、この猿の人形のくだりは何かのパロディだったりするのだろうか。
既視感があったのだけれど、全く思い出せない。
ライセンスの悲劇の元ネタというかモデルは、原作によると、イヴ・サン=ローラン。
ただ、 調べたけれど、ソースはよく分からなかった*2。
当時のサン=ローランは本当にブランド力を失っていたのか?
ブランドの確立にどれくらいの時間を要したのか?
時間がかかったとすれば、それはライセンスの乱発が原因だったのか?
などなど、気になることは多々あれど、まずはこれを読むのが先決だろうとも思う。
『イブ・サンローラン―喝采と孤独の間で』
アリス ローソーン (著), Alice Rawsthorn (原著), 深井 晃子 (翻訳)
元カレの人物造形
惜しむらくは、元カレの魅力が描かれていないこと。
というか、どんな人なのか全く分からない。
今のところ、
・婚約中の身でありながら、別の女をベッドに連れ込んでいた(おそらく)。
・結婚を勝手に進めた、と責任転嫁。
(いやいや、親族に挨拶したり、式場予約したりってしている間、何してたの……。)
・逆切れ&怒鳴る。
・再開するなり身体の関係を求めてくる。
うーん! どこがいいのか全く分からない!
この状態で波瑠が揺れてもドキドキ、ハラハラしないし、それどころかイライラしてしまう。
風間俊介さんは好きです。陸王とか、めっちゃよかった。
でも、この元カレは勝手すぎて、嫌。
伊勢谷友介の“怪演”
まず、出会ってすぐの突っ込み。
「あほか、吊り橋で復縁を迫る30女なんて怖すぎるだろ」
2時間ミステリーでありそうな光景。
この時点で吹き出した。ツボ。
本領を発揮するのは後半。
波瑠が元カレとよりを戻しそうになったとき、重低音を響かせて黒のオープンカーで颯爽と登場――かと思いきや、オープンカーのGに表情が歪んでいる。
しかし平静を装って、人差し指と中指で「よっ!」とチャラ男風の挨拶。
波瑠を乗せて走り去るときは、
「HAHAHAHA!yeahベロロロロ」(そう聞こえた)。
このシーン、ずっと大爆笑。
「ベロロロロ」は、多分、オープンカーのGに唇かぶるぶるってなっているんだと思う。
助手席の波瑠に言った「おッ前、遅刻だぞぉ」の言い方も、どことなくトレンディドラマの匂いを感じる。
加えて、めったに運転しないことを感じさせる言動。
「おい、右! 右、来てるか、車?」
可愛い。オレ様編集長の抜けた姿が可愛い。
伊勢谷友介の怪演を楽しみに次回も見るだろうな。